トイレから「ゴボゴボ」音がしたら危険信号。悪臭と害虫を呼ぶ「破封(はふう)」の正体と対策
「上の階で水を流すと、下の階のトイレがゴボゴボ鳴る」
「掃除したばかりなのに、なぜか下水臭い」
もしお客様からこんなクレームを受けたら、それはただの「詰まり」ではありません。
配管の中の空気バランスが崩れ、水を守るはずの「封水(トラップの水)」が消滅している可能性が高いです。
専門用語で「破封(はふう)」と呼ばれるこの現象。
放置すると、下水道から有毒ガスや害虫(ゴキブリ・ネズミ)が室内に侵入してきます。
なぜこれが起きるのか? 若手配管工が知っておくべきメカニズムを解説します。
犯人は「負圧(ふあつ)」による吸引力
水が配管内を一気に流れ落ちる時、その背後には強い「吸い込む力(負圧)」が発生します。
ストローでジュースを吸うのと同じ原理です。
1. 自己サイホン作用: 洗面器などで大量に水を流した勢いで、トラップ内の水まで一緒に引っ張られて流れてしまう現象。
2. 誘導(吸い出し)サイホン作用: 縦管を流れる水がピストンの役割を果たし、接続されている横枝管の空気を吸い込み、トラップの水を引きずり込んでしまう現象。
「ゴボゴボ」という音は、空気が足りずに配管が喘いでいる悲鳴であり、トラップの水が吸い込まれて消える断末魔の音なのです。
解決策は「空気の通り道」を作ること
この「負圧」を打ち消すには、空気を補充してあげるしかありません。
そのために存在するのが「通気管(つうきかん)」です。
醤油差しの背中にある「小さな穴」を指で塞ぐと、醤油が出にくくなりますよね?
あれと同じで、排水管にも「空気を入れる穴(通気)」がないと、水はスムーズに流れず、トラブルを起こします。
- 通気弁を設置する: 室内のシンク下などに「ドルゴ通気弁」などを設置し、負圧発生時のみ空気を吸わせる。
- 通気管の設計を見直す: 新築やリノベーションの段階で、適切な管径とルートで通気管を確保する。
「ゴボゴボ」を未然に防ぐのがプロの設計
破封は、施工ミスというより「設計ミス」で起こることが多いトラブルです。
「流ればいいだろう」と安易に細い管を使ったり、通気を省略したりすると、引き渡し後に必ずクレームになります。
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