「キツく締めるため」じゃない?シールテープを巻く本当の理由。ネジ山は“水”の脱出トンネル。

シールテープと配管のイメージ

SUMITSUBO AI 代表の軽部です。
現場で新人の頃、先輩に「シールテープは〇回巻け」と言われて、意味もわからず必死に巻いていました。
「テープを巻いて厚みを出せば、ネジが緩まなくなるのかな?」
なんとなく、滑り止めや接着剤のようなイメージを持っている人も多いかもしれません。

でも実は、あれは「隙間を埋めるためのパテ(詰め物)」なんです。
今回は、なぜ硬い金属のネジに柔らかいテープが必要なのか。「螺旋(らせん)のトンネル」という視点で解説します。

金属は「隙間だらけ」だと知る

鉄やステンレスの配管は、とても硬いです。
オスのネジとメスのネジをギュッと回し入れると、ガッチリ噛み合っているように見えます。
しかし、ミクロの世界で見ると「金属同士がぶつかって、どうしても埋まらない隙間」が空いているのです。

金属は硬いので、いくら力を込めてもゴムのように変形して隙間を埋めてくれることはありません。
この「わずかな隙間」が、水にとっては格好の通り道になります。

ネジ山は「螺旋状の滑り台」

ここでイメージしてください。
ネジの溝というのは、入口から出口までずっと繋がっている「一本の長い螺旋状のトンネル(滑り台)」です。

⚠️ シールテープがない場合(漏水)

金属同士の隙間が、そのまま「トンネル」になります。
水はこのトンネルの入り口から入り込み、螺旋階段を降りるようにクルクルと回りながら、出口(外)へと漏れ出してしまいます。
どれだけ強く締めても、トンネル自体は消えないので水は止まりません。

⭕️ シールテープがある場合(止水)

シールテープは、とても柔らかい素材でできています。
ネジを締め込むと、硬い金属と金属の間でテープがグニュッと潰されます。
この「潰れたテープ」が、パテのように金属の隙間(トンネル)にムギュッと入り込み、水の通り道を物理的に塞いでしまうのです。

「回数」よりも「理屈」を知れば、応用が効く

「6回巻くのが正解」といった回数の暗記も大事ですが、「隙間を埋めるために、クッションを挟んでいるんだ」というイメージを持つことが最も重要です。

そうすれば、「このネジは少し古いから隙間が大きそうだな、少し多めに巻こう」とか、「ここは精密だから少なめにしないと噛まないな」といった「職人のカン」が、理屈に基づいて働くようになります。

見えない「隙間」を想像する力

見えない「隙間」や「水の動き」を想像する力。これこそが職人の技術の正体です。
SUMITSUBO AIでは、こうした「配管の中で起きていること」をCGやAIで可視化し、経験の浅い人でもベテランと同じイメージを持てるような教育システムを作っています。

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