「建築監督」vs「設備監督」どっちが稼げる?激務度と年収、将来性をガチ比較
建設業界で働くなら、避けて通れない選択。
建物の「箱」を作る建築施工管理(建築監督)か、中身の「血管」を作る設備施工管理(設備監督)か。
「建築の方が偉いんでしょ?」「設備の方が楽そう」
そんなイメージだけで選ぶと痛い目を見ます。
両方を見てきた視点から、労働環境、ストレスの種類、そして気になる「お金」の話を比較します。
1. 激務度対決:長時間労働 vs 不規則労働
結論から言うと、どちらも激務ですが「質」が違います。
| 項目 | 建築監督(ゼネコン) | 設備監督(サブコン) |
|---|---|---|
| 主な役割 | 現場の総指揮。全責任を負う。 | 建築の工程に合わせて動く調整役。 |
| 拘束時間 | 超長い。 朝礼から戸締まりまで常に現場にいる必要がある。 |
波がある。 建築の進み具合に左右され、待ち時間が多い。 |
| 休みの取れなさ | 土曜出勤は当たり前。 雨で工程がズレると休みが消える。 |
建築よりはマシな場合も。 ただし、改修工事だと夜勤・休日出勤が多発。 |
2. ストレス対決:板挟み vs パシリ扱い
精神的な辛さもベクトルが異なります。
建築監督の地獄:「全責任」の重圧
施主、設計事務所、近隣住民、そして何十もの協力業者。
全ての文句とトラブルが建築監督に集まります。
「王様」のように見えますが、実態は全員の顔色を伺う「サンドバッグ」になりがちです。
設備監督の地獄:「工程のシワ寄せ」係
建築工事が3日遅れたとします。
しかし、引き渡し日は変わりません。
すると建築監督はこう言います。「設備さん、悪いけどあと3日で仕上げて(本当は6日かかるけど)」。
この理不尽なスピードアップ要求に対応するのが、設備監督の最大のストレスです。
3. 年収対決:トップは建築、平均点は設備?
稼げるのはどっちか?これは会社の規模によります。
- トップオブトップ: スーパーゼネコンの建築監督(所長クラス)になれば、年収1,500万円〜も夢ではありません。建築の方が天井は高いです。
- 転職市場の価値: 実は「設備監督」の方が有利です。
建築に比べてなり手が少なく、万年人手不足だからです。
「1級管工事施工管理技士」や「1級電気工事施工管理技士」を持っていれば、中小サブコンでも年収600〜800万円で奪い合いになります。
まとめ:性格で選ぶべし
あなたはどっち派?
- 建築向き: リーダーシップがあり、自分が中心になって地図に残る建物を作りたい人。プレッシャーに強い人。
- 設備向き: 専門技術を極めたい人。建築の下請けという立場を割り切れる人。手に職をつけて、どこでも食っていける安定が欲しい人。
「華やかさの建築」か、「実利の設備」か。
どちらも楽な仕事ではありませんが、自分の適性に合った地獄(?)を選ぶことが、長く続けるコツです。