【安全大会のネタに困ったら】「形だけのKY活動」をAIで変える。事故ゼロ現場を作る"データ活用型"安全管理とは
毎朝の朝礼で行うKY(危険予知)活動。
「今日も足元注意、ヨシ!」「熱中症に注意、ヨシ!」
元気な声出しは大切ですが、その内容は毎日同じことの繰り返しになっていませんか?
「とりあえず書類を埋めること」が目的になり、現場の緊張感が薄れる「マンネリ化」。これこそが、労働災害を引き起こす最大の敵です。
今回は、AIを活用して「今日の現場のリスク」を具体的に可視化し、マンネリ化した安全管理に喝を入れる最新の手法をご紹介します。
なぜ、ベテランほど事故を起こすのか?
現場の事故は、新人だけでなく、経験豊富なベテラン職人にも多く発生します。
その原因の多くは「慣れ」と「思い込み」です。
- 正常性バイアス: 「昨日も大丈夫だったから、今日も大丈夫だろう」という根拠のない安心感。
- ヒヤリハットの埋没: 小さな危険情報が、「これくらい普通だ」と判断されて共有されない。
人間の注意力には限界があります。だからこそ、「忖度のないAI」による客観的な指摘が必要になるのです。
AIが「今日の天気」と「作業内容」からリスクを予言する
SUMITSUBO AIが開発する「安全管理AI」は、過去の膨大な事故データと、その日の現場状況を掛け合わせてリスクを判定します。
例えば、朝礼の前にAIが以下のような提案をスマホに通知します。
「今日は『気温32度』かつ『午後から高所作業』です。過去のデータでは14時頃に墜落事故のリスクが3倍になります。重点的に休憩を指示してください」
「いつもの注意」ではなく、「今日の具体的なリスク」を数字で突きつけられれば、職人の意識は変わります。
これが、AIによる「攻めの安全管理」です。
写真一枚で「危険箇所」を洗い出す
もう一つの活用法は、現場巡回時のAIカメラです。
現場監督がスマホで現場を撮影するだけで、AIが背景に映り込んだ不安全箇所を検知します。
- 「脚立の天板に乗っている職人がいます」
- 「開口部の養生がズレています」
- 「ヘルメットのあご紐が緩んでいます」
人間なら見逃してしまう、あるいは「先輩職人には注意しづらい」ような些細な違反も、AIなら遠慮なく指摘できます。
このデータを蓄積することで、「うちの現場はどこが弱いのか」という傾向が見え、次回の安全大会での具体的な指導ネタにもなります。