「40Vmax」は設備屋に必要か?18Vで十分な理由と、買い替えるべき人の条件

18Vと40Vのインパクトドライバー比較イメージ

「最近、現場でマキタの40Vmaxを使ってる奴が増えたな…」
休憩所で同僚の最新機種を見て、自分の使い込んだ18Vが急に古臭く見えてしまう。
「俺も買い替えるべきか?でも、バッテリーも充電器も全部買い直しだし、そもそも設備屋にそこまでのパワーが必要なのか?」

そんな悩める設備職人のために、現場目線で「18V vs 40V」の最終結論を出します。

1. 設備屋の仕事、9割は18Vで事足りる

結論から言えば、一般的な設備工事(給排水、空調、衛生)において、18Vでパワー不足を感じることはほぼありません。

💡 18Vが最適な作業
  • 配管支持: アンカー打ち、全ネジのナット締め、バンド固定。これらは18Vの得意分野です。
  • 器具付け: 洗面台やトイレの設置。むしろパワーがありすぎると、陶器を割ったり、ねじ頭を飛ばしたりするリスクがあります。
  • 小径の穴あけ: 木工ドリルやサイディングへのホルソー作業も、18Vで十分こなせます。

これらの作業がメインなら、無理に40Vへ移行する必要は全くありません。
むしろ、40Vはバッテリーが大きく重くなるため、狭い天井裏や床下での取り回しが悪くなるデメリットすらあります。

2. それでも「40V」を買うべき人とは?

では、40Vmaxは誰のための道具なのでしょうか?
それは「高負荷な作業を、日常的に行う人」です。

⚠️ 40Vが真価を発揮するシーン

・大口径のコア抜きを頻繁に行う(エアコンの配管穴など)
・太いコーチスクリューや長ビスを何十本も打ち込む
・ハンマドリルやグラインダーなど、他の電動工具も40Vで統一したい

「18Vだとすぐ止まってしまう」「バッテリーが一日持たない」といったストレスを常に感じているなら、40Vへの投資は作業効率を劇的に変えるでしょう。

3. 最大の壁は「バッテリーの互換性」

マキタの場合、18Vと40Vmaxの間にはバッテリーの互換性がありません。
40Vのインパクトを買うということは、予備バッテリー、充電器、そして(将来的には)他の工具もすべて40V規格で揃え直すことを意味します。

この莫大なコストをかけてまで、今の作業で「数秒の短縮」を求める必要があるのか。
冷静に費用対効果を考えるべきです。

まとめ:パワーよりも大切な「職人の手感覚」

道具は進化しますが、それを扱うのは人間です。
最強のインパクトを使えば良い仕事ができるわけではありません。
特に器具付けのような繊細な作業では、トリガーの引き加減でトルクを調整する「職人の手感覚」こそが重要です。

道具に使われるな、使いこなせ。

技術研修では、最新工具のスペックに頼るだけでなく、材質や状況に応じた適切な「締め付けトルク」の管理や、基本動作の指導にも力を入れています。
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