打設前なら間に合う!スリーブ位置の「ズレ」発覚。鉄筋を切らずに修正する判断基準
「墨出しの位置と、設置したボイド管が50mmずれてる…」
コンクリート打設前日の自主検査で、こんなミスが見つかることがあります。
図面の変更を見落としていたか、単純な墨出しミスか。
冷や汗が出ますが、コンクリートを流し込む前なら修正は可能です。
ただし、焦って「やってはいけない直し方」をすると、建物の強度に関わる重大な欠陥になります。
今回は、緊急時の正しい修正手順と判断基準を解説します。
1. まず「鉄筋」に当たるか確認せよ
スリーブを正しい位置に動かそうとしたとき、そこに鉄筋があるかどうかが運命の分かれ道です。
- 鉄筋がない(空いている)場合: 結束線を切り、正しい位置に移動して固定し直すだけです。型枠への固定釘穴の処理(ガムテープ等で塞ぐ)を忘れずに。
- 鉄筋がある場合: ここが問題です。絶対にやってはいけないのが「無断で鉄筋を切断する」ことと「鉄筋を炙って曲げる」ことです。
⚠️ 鉄筋の「加熱曲げ」は厳禁
「邪魔な鉄筋、バーナーで炙って曲げちゃえ」というのは昔の悪しき習慣です。
一度熱を加えた鉄筋は強度が著しく低下します。
干渉する場合は、正規の手順(構造担当への確認、または下記の方法)で対応しなければなりません。
2. 鉄筋に当たる場合の対処法
スリーブ径が小さく(〜100φ程度)、当たるのがサブの鉄筋(配力筋)であれば、構造設計者の許可を得て、鉄筋を少し「押し広げる」ことで対応できる場合があります。
しかし、梁の主筋や、大きなスリーブがガッツリ干渉する場合は、以下の対応が必要です。
どうしても鉄筋を切断・移動する必要がある場合は、その開口周りに斜め筋や補強筋を入れて強度を補います。
これは現場判断ではなく、必ず「構造担当の指示」を仰いでください。
勝手な判断で切ると、後でレントゲン検査やコア抜き直しなどの大損害になります。
3. 最終手段「箱抜き」
「位置が決まらない」「鉄筋が密すぎてボイドが入らない」
そんな時は、無理にスリーブを入れず、木枠などで四角く「箱抜き」をしておく手もあります。
打設後に箱を外し、配管を通してから無収縮モルタル等で埋め戻す工法です。(※これも監督の許可必須)
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