鉄管と銅管を「直結」してしまった!絶縁を忘れた際の緊急対策と、やってはいけない応急処置
「現場が忙しくて、うっかり鉄管と銅管をニップルで直結してしまった…」
「絶縁継手の手持ちがなくて、とりあえず繋いでしまった…」
これ、実は配管工事で最も危険なミスの一つです。
そのまま放置すると、数年(早ければ数ヶ月)で接続部がボロボロに錆びて漏水します。
「外からテープを巻けばいい?」答えはNOです。
今回は、なぜ直結がダメなのか、そして「後からどう直せばいいのか」を解説します。
1. なぜ直結すると腐るのか?(電池の原理)
鉄と銅を水の中で接触させると、目に見えない微弱な電流が流れます。
これを「異種金属接触腐食(電食)」と呼びます。
理科の実験で、種類の違う金属をレモンに刺して電気を起こしましたよね?あれと同じです。
「鉄」が身代わりとなって溶け出し(イオン化)、「銅」を守ろうとします。
結果、鉄管側のネジ山だけが急速に錆びて痩せ細り、ある日突然ポッキリ折れるのです。
2. NG対応:外からテープを巻く
⚠️ その処置、意味ありません
「外側を絶縁テープでぐるぐる巻きにすれば大丈夫でしょ?」
これは大きな間違いです。
腐食の原因となる電流は、配管の中を流れる「水」を通して発生します。
外側をいくら保護しても、内側で鉄と銅が触れ合い、水が通っている限り、腐食は止まりません。
3. 正しいリカバリー方法(絶縁ユニオン)
既に繋いでしまった場合でも、配管全体をやり直す必要はありません。
接続部分を一箇所だけ切り離し、間に「絶縁」を挟めば電流は止まります。
方法①:ねじ込み配管の場合
接続部を一度外し、「絶縁ユニオン(絶縁継手)」に交換してください。
中に電気を通さないパッキンや樹脂が入っており、金属同士の接触を遮断できます。
※通常のユニオンでは意味がありません。「絶縁」と書かれた製品を使ってください。
方法②:フランジ接続の場合
ボルトとナットの間に「絶縁ワッシャー」と「絶縁スリーブ(筒)」を入れ、フランジ面には「絶縁パッキン」を挟みます。
これを「絶縁フランジセット」と呼びます。ボルト一本一本まで絶縁する必要があります。
まとめ:面倒でも「やり直し」が最安
「今やり直す手間」と「数年後に営業中の店舗で漏水して床を剥がす損害」。
どちらが安いかは明白です。
通水前ならまだ間に合います。勇気を持ってやり直しましょう。
「なぜ?」が分かれば、ミスは減る。
ただ手順を教えるだけでなく、「なぜそうするのか」という理屈から配管技術を指導しています。
若手社員の基礎知識不足にお悩みの企業様は、ぜひご相談ください。