天井裏が狭すぎて排水勾配「1/100」が取れない。1/150でも許される条件とは?
特にリノベーション現場でよくある悩み。
「既存の梁が邪魔で、どう計算しても排水勾配1/100が確保できない…」
無理やり通せば1/150、あるいは1/200近くになってしまう。
「これ、黙って施工していいのか?」と迷う職人さんもいるでしょう。
結論から言えば、条件付きで「可」となるケースは多いですが、施工精度への要求レベルが格段に上がります。
緩い勾配で施工する際、絶対に守らなければならないルールを解説します。
1. なぜ「1/100」が必要なのか?
そもそも、なぜφ65やφ75の管は1/100勾配(1メートルで1センチ下がる)と決められているのでしょうか?
それは「流速」を稼ぐためです。
流れが速い川は、石や砂を押し流して綺麗ですが、流れが遅い川底には泥が溜まりますよね。
排水管も同じで、汚物やトイレットペーパーを搬送し、管内をセルフクリーニングするために必要な流速(約0.6m/s以上)を確保するための基準が「1/100」なのです。
2. 「1/150」にするための条件
現場の物理的な制約で1/100が不可能な場合、多くの現場監督や設計者は1/150(場合によってはそれ以下)を承認します。
ただし、それは以下のリスクヘッジができている場合に限ります。
- 管径を上げる: 可能であれば、ワンサイズ太い管にして、排水の通りを良くする。
- 掃除口(CO)を増やす: 詰まりやすくなることを見越して、メンテナンスしやすい位置に点検口を設ける。
- 監督の承諾: 独断は厳禁です。必ず「施工図」に勾配を明記し、承認を得てください。
3. 緩い勾配ほど「たわみ」は命取り
ここが職人の腕の見せ所です。
1/100なら多少の施工誤差があっても流れますが、1/150の「緩い勾配」で配管がたわんでしまったら、そこは完全に「逆勾配」になります。
⚠️ 支持間隔を「密」にせよ!
勾配が緩い時ほど、支持金物(バンド)の間隔を狭くしてください。
通常1.5mピッチなら、1.0mや0.8mに縮める。
「絶対に配管の腹をたるませない」という執念がなければ、1/150の施工は詰まりの原因を作っているのと同じです。
「仕方ない」で終わらせない提案力を。
厳しい現場条件の中で、ベストな解を導き出すのがプロの仕事です。
こうした現場の「グレーゾーン」に対する判断基準や、設計変更の交渉術も指導しています。