改修現場で感じた「鹿島品質」の凄みと、天野前社長が遺したもの

鹿島建設の天野裕正社長の急逝という突然の訃報に接し、深い悲しみとともに、言いようのない喪失感を感じています。
建設業界に18年身を置き、現在はAIの力でこの業界のアップデートを目指す立場として、日本の建設業を牽引してこられた天野社長の歩みには、常に大きな刺激を受けてきました。

数十年の時を超えて届く「声」

実は先日、ある改修現場に携わりました。
そこは数十年前に鹿島建設が施工した建物でした。

改修工事というのは、いわば「建物の解剖」です。
壁を剥がし、骨組みを露わにしたとき、そこに現れたのは驚くほど緻密で、誠実な仕事の跡でした。

狂いのない構造体。
見えない部分まで美しく整えられた配筋や納まり。
当時の技術者が、数十年後の私たちに語りかけてくるような丁寧な施工。

「素晴らしい作りだな……」

現場で思わず独り言が漏れました。
図面上の数字を満たすだけでなく、その先にある「建物の命」を吹き込むような職人たちの気概。
それを組織として守り続けてきた鹿島建設のDNAを、肌で感じた瞬間でした。

伝統と革新の架け橋として

天野社長は、こうした鹿島が誇る「現場の力」を誰よりも大切にしながら、同時に「建設DX」という未来へ向けて力強く舵を切られた方でした。

私たちがSUMITSUBO AIで取り組んでいる「技術の継承」や「デジタル化による業界の変革」も、天野社長が目指した「誇りを持てる建設業」という大きな地図の地続きにあるものだと、勝手ながら感じています。

素晴らしいアナログな技術があるからこそ、デジタルの光が活きる。
あの改修現場で見た「本物の仕事」を、どうやって次の世代へ、そしてテクノロジーの力で未来へと繋いでいくか。
その問いの重さを、改めて噛み締めています。

祈り

天野社長が示してくださった「飽くなき技術への探究心」と「変革への勇気」を、私たちは決して忘れません。
先人が築き上げた素晴らしい遺産を汚さぬよう、そしてこの業界がより輝く場所になるよう、私自身も一歩ずつ歩みを進めていきたいと思います。

天野裕正社長のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。

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